5次方程式の解の公式を求める

いまから5次方程式の解の公式を書き下してみます.途中で2次・3次・4次方程式を解く過程がありますが,それらの解の公式は既知のものとして扱います.5次方程式の解は一般に根号と四則演算によって書くことができないことが証明されているため,特殊関数を用いる必要があります.今回はその中でも楕円積分とヤコビのツェータ関数を使った表示を調べました.5次方程式の解の公式だけを見たい場合は一番最後の「まとめ」を御覧ください.


I. ニュートンの恒等式

方程式を解くための準備として,ニュートンの恒等式というものを見てみる.

■ニュートンの恒等式
$ x\f 1,\ldots ,x\f n $ を $ n $ 個の変数とするとき, \[ x\f 1\ef m+\cdots +x\f n\ef m=(-1)\ethr m-1mS\f m+\sum\thr i=1\ethr m-1(-1)^{m+i-1}S\thr m-i(x\f 1\ef i+\cdots +x\f n\ef i) \] が成り立つ.ここで, $ S\f m $ は $ m $ 番目の基本対称式を表すものとする.すなわち \begin{eqnarray} S\f 1&=&x\f 1+\cdots +x\f n\\ S\f 2&=&x\f 1x\f 2+x\f 1x\f 3+\cdots +x\thr n-1x\f n\\ S\f 3&=&x\f 1x\f 2x\f 3+x\f 1x\f 2x\f 4+\cdots +x\thr n-2x\thr n-1x\f n\\ &\vdots &\\ S\f n&=&x\f 1x\f 2x\f 3\cdots x\f n \end{eqnarray} である.

以降 \[ x\f 1\ef i+\cdots +x\f n\ef i \] のような $ n $ 個の変数に対する和は $ \Sigma(x\f k\ef i) $ のように略記する(和を取るときの束縛変数は $ k $ とする). 以上のニュートンの恒等式を方程式の解に対して適用してみよう.いま $ n $ 次方程式 \[ x\ef n+a\thr n-1x\ethr n-1+\cdots +a\f 1x+a\f 0=0 \] が与えられているとする.この方程式は複素数の範囲に重複度を込めて $ n $ 個の解を持ち, それを $ x\f 1,\ldots ,x\f n $ とする.方程式の係数は $ n $ 個の解の基本対象式と関連があり, \begin{eqnarray} S\f 1&=&-a\thr n-1\\ S\f 2&=&a\thr n-2\\ &\vdots &\\ S\f m&=&(-1)\ef ma\thr n-m\\ &\vdots &\\ S\thr n-1&=&(-1)^{n-1}a\f 1\\ S\f n&=&(-1)^na\f 0 \end{eqnarray} のようになっている.したがってニュートンの恒等式により \begin{eqnarray} \Sigma(x\f k\ef m)&=&(-1)\ethr m-1mS\f m+\sum\thr i=1\ethr m-1(-1)^{m+i-1}S\thr m-i\Sigma(x\f k\ef i)\\ &=&-ma_{n-m}-\sum\thr i=1\ethr m-1a_{n-i}\Sigma(x\f k\ef i) \end{eqnarray} が得られる.これは解の $ m $ 乗和と方程式の係数との間の関係を表す式になっている.5次方程式を簡単化していく過程で \[ \Sigma(x\f k)\; \Sigma (y\f k\ef 3) \] などのようなものを大量に計算する必要があるため,ニュートンの恒等式を明示しておく必要があった.


II. 5次方程式の簡単化

5次方程式は四則演算と根号を用いた解の公式を持たないため,特殊関数による表示を与えるほかない.そのためにはまず5次方程式を 簡単な形にしていかなければならない. まず5次方程式 \[ ax^5+bx^4+cx^3+dx^2+ex+f=0 \] は両辺を $ a\neq 0 $ で割ることにより,最高次係数は $ 1 $ の場合だけを考えればいいことになる.また方程式 \[ x^5+ax^4+bx^3+cx^2+dx+e=0 \] に対して, $ x=y-a/5 $ という変数変換をすることにより, \begin{eqnarray} &&y^5+\paren{b-\frac{2a^2}{5}}y^3+\paren{c-\frac{3ab}{5}+\frac{4a^3}{25}}y^2\\ &&+\paren{d-\frac{2ac}{5}+\frac{3a^2b}{25}-\frac{3a^4}{125}}y+\paren{e-\frac{ad}{5}+\frac{a^2c}{25}-\frac{a^3b}{125}+\frac{4a^5}{3125}}=0 \end{eqnarray} のように4次の項を消すことができる.すなわち \[ y^5+py^3+qy^2+ry+s=0 \] という形の5次方程式を考えればよいことになる.実際にこの方程式を簡単な形に変形することを試みてみよう. まずは上の形から \[ z^5+Az^2+Bz+C=0 \] という方程式へ変形する.その方法としては, $ y^5+py^3+qy^2+ry+s=0 $ の5つの解を $ y\f k\; (k=1,\ldots ,5) $ , $ z^5+Az^2+Bz+C=0 $ の解を $ z\f k\; (k=1,\ldots ,5) $ として,この2つの方程式の解の間に \[ z\f k=y\f k\ef 2+\alpha y\f k+\beta \] という関係があることを仮定することである.もし何かしらの方法によって $ \alpha,\beta,A,B $ を決定することができれば,実際にそのような関係が存在することが分かるのである.そこで上のような関係が2つの方程式の解の間に存在したと仮定する.まず $ z^5+Az^2+Bz+C=0 $ の解に対して \begin{eqnarray} \Sigma(z\f k)&=&0\\ \Sigma(z\f k\ef 2)&=&0\\ \Sigma(z\f k\ef 3)&=&-3A\\ \Sigma(z\f k\ef 4)&=&-4B\\ \Sigma(z\f k\ef 5)&=&-5C \end{eqnarray} となることを計算により確かめることができる. いま $ z\f k=y\f k\ef 2+\alpha y\f k+\beta $ であるから \begin{eqnarray} \Sigma(y\f k\ef 2+\alpha y\f k+\beta)&=&0\tag{1}\label{eq1}\\ \Sigma((y\f k\ef 2+\alpha y\f k+\beta)^2)&=&0\tag{2}\label{eq2}\\ \Sigma((y\f k\ef 2+\alpha y\f k+\beta)^3)&=&-3A\tag{3}\label{eq3}\\ \Sigma((y\f k\ef 2+\alpha y\f k+\beta)^4)&=&-4B\tag{4}\label{eq4}\\ \Sigma((y\f k\ef 2+\alpha y\f k+\beta)^5)&=&-5C\tag{5}\label{eq5} \end{eqnarray} という式を得ることができる.式(\ref{eq1}),(\ref{eq2})から \[ 5\beta -2p=0\\ -4r-6\alpha q+2{{p}^{2}}-4\beta p-2{{\alpha}^{2}}p+5{{\beta}^{2}}=0\\ \] という $ \alpha,\beta $ に関する2次方程式が得られる.これにより \[ \alpha =-\frac{3q}{2p}\pm\sqrt{\paren{\frac{3q}{2p}}^2+\frac{3p}{5}-\frac{2r}{p}}\quad \beta =\frac{2p}{5} \] という解を得ることができる.すなわち $ y^5+py^3+qy^2+ry+s=0 $ と $ z^5+Az^2+Bz+C=0 $ の 2つの方程式の解の間には \[ z\f k=y\f k^2+\paren{-\frac{3q}{2p}\pm\sqrt{\paren{\frac{3q}{2p}}^2+\frac{3p}{5}-\frac{2r}{p}}}y\f k+\frac{2p}{5} \] という関係が存在することが分かった.また式(\ref{eq3})(\ref{eq4})(\ref{eq5})により, \begin{eqnarray} -3 A&=&15\alpha s+6pr-12\beta r-12{{\alpha }^{2}}r+3{{q}^{2}}+15\alpha pq-18\alpha \beta q\\ &&-3{{\alpha }^{3}}q-2{{p}^{3}}+6\beta {{p}^{2}}+6{{\alpha }^{2}}\,{{p}^{2}}-6{{\beta }^{2}}p-6{{\alpha }^{2}}\beta p+5{{\beta }^{3}}\\ -4B&=&8qs+28\alpha ps-60\alpha \beta s-20{{\alpha }^{3}}s+4{{r}^{2}}+28\alpha qr-8{{p}^{2}}r\\ &&+24\beta pr+36{{\alpha }^{2}}pr-24{{\beta }^{2}}r-48{{\alpha }^{2}}\beta r-4{{\alpha }^{4}}r-8p\,{{q}^{2}}\\ &&+12\beta {{q}^{2}}+18{{\alpha }^{2}}\,{{q}^{2}}-28\alpha {{p}^{2}}q+60\alpha \beta pq+20{{\alpha }^{3}}pq\\ &&-36\alpha {{\beta }^{2}}q-12{{\alpha }^{3}}\beta q+2{{p}^{4}}-8\beta {{p}^{3}}-12{{\alpha }^{2}}\,{{p}^{3}}+12{{\beta }^{2}}\,{{p}^{2}}\\ &&+24{{\alpha }^{2}}\beta {{p}^{2}}+2{{\alpha }^{4}}\,{{p}^{2}}-8{{\beta }^{3}}p-12{{\alpha }^{2}}\,{{\beta }^{2}}p+5{{\beta }^{4}}\\ -5C&=&5{{s}^{2}}+45\alpha rs-20pqs+40\beta qs+80{{\alpha }^{2}}qs-45\alpha {{p}^{2}}s\\ &&+140\alpha \beta ps+70{{\alpha }^{3}}ps-150\alpha {{\beta }^{2}}s-100{{\alpha }^{3}}\beta s-5{{\alpha }^{5}}s\\ &&-10p\,{{r}^{2}}+20\beta {{r}^{2}}+40{{\alpha }^{2}}\,{{r}^{2}}-10{{q}^{2}}r-90\alpha pqr\\ &&+140\alpha \beta qr+70{{\alpha }^{3}}qr+10{{p}^{3}}r-40\beta {{p}^{2}}r-80{{\alpha }^{2}}\,{{p}^{2}}r\\ &&+60{{\beta }^{2}}pr+180{{\alpha }^{2}}\beta pr+30{{\alpha }^{4}}pr-40{{\beta }^{3}}r-120{{\alpha }^{2}}\,{{\beta }^{2}}r\\ &&-20{{\alpha }^{4}}\beta r-15\alpha {{q}^{3}}+15{{p}^{2}}\,{{q}^{2}}-40\beta p\,{{q}^{2}}-80{{\alpha }^{2}}p\,{{q}^{2}}\\ &&+30{{\beta }^{2}}\,{{q}^{2}}+90{{\alpha }^{2}}\beta {{q}^{2}}+15{{\alpha }^{4}}\,{{q}^{2}}+45\alpha {{p}^{3}}q-140\alpha \beta {{p}^{2}}q\\ &&-70{{\alpha }^{3}}\,{{p}^{2}}q+150\alpha {{\beta }^{2}}pq+100{{\alpha }^{3}}\beta pq+5{{\alpha }^{5}}pq-60\alpha {{\beta }^{3}}q\\ &&-30{{\alpha }^{3}}\,{{\beta }^{2}}q-2{{p}^{5}}+10\beta {{p}^{4}}+20{{\alpha }^{2}}\,{{p}^{4}}-20{{\beta }^{2}}\,{{p}^{3}}-60{{\alpha }^{2}}\beta {{p}^{3}}\\ &&-10{{\alpha }^{4}}\,{{p}^{3}}+20{{\beta }^{3}}\,{{p}^{2}}+60{{\alpha }^{2}}\,{{\beta }^{2}}\,{{p}^{2}}+10{{\alpha }^{4}}\beta {{p}^{2}}-10{{\beta }^{4}}p\\ &&-20{{\alpha }^{2}}\,{{\beta }^{3}}p+5{{\beta }^{5}} \end{eqnarray} なので,これによって $ A,B,C $ を決定することができる.したがってより簡単化された方程式 $ z^5+Az^2+Bz+C=0 $ を解くことができれば,上記の解の関係 \[ z\f k=y\f k\ef 2+\alpha y\f k+\beta \] を経由して $ y $ を求めることができるようになる.したがって5次方程式は \[ z^5+Az^2+Bz+C=0 \] という形にまで簡単化された. ここからさらに, $ w^5+Pw+Q=0 $ という形にまで簡単化しようとするわけであるが,その方法の起点はいまとさほど変わらない.ただし,途中で出てくる方程式に少し技巧が必要となる.いま $ z^5+Az^2+Bz+C=0 $ の方程式の解を $ z\f k $ とし, $ w^5+Pw+Q=0 $ の解を $ w\f k $ とおいたときに,それらの解の間に \[ w\f k=z\f k^4+\eta z\f k^3+\theta z\f k^2+\kappa z+\mu \] という関係が存在すると仮定する.このとき \begin{eqnarray} \Sigma (w\f k)&=&0\\ \Sigma (w\f k\ef 2)&=&0\\ \Sigma (w\f k\ef 3)&=&0\\ \Sigma (w\f k\ef 4)&=&-4P\\ \Sigma (w\f k\ef 5)&=&-5Q \end{eqnarray} という式を用いて \begin{eqnarray} \Sigma (z\f k^4+\eta z\f k^3+\theta z\f k^2+\kappa z+\mu )&=&0\tag{6}\label{eq6}\\ \Sigma ((z\f k^4+\eta z\f k^3+\theta z\f k^2+\kappa z+\mu )^2)&=&0\tag{7}\label{eq7}\\ \Sigma ((z\f k^4+\eta z\f k^3+\theta z\f k^2+\kappa z+\mu )^3)&=&0\tag{8}\label{eq8}\\ \Sigma ((z\f k^4+\eta z\f k^3+\theta z\f k^2+\kappa z+\mu )^4)&=&-4P\tag{9}\label{eq9}\\ \Sigma ((z\f k^4+\eta z\f k^3+\theta z\f k^2+\kappa z+\mu )^5)&=&-5Q\tag{10}\label{eq10} \end{eqnarray} という5つの方程式を得ることができる.式(\ref{eq6})より \[ 5\mu-3A\eta-4B=0\quad \Naraba\quad \mu=\frac{3A\eta+4B}{5} \] となる.式(\ref{eq7})より \begin{eqnarray} &\left( -15A\theta-20B\eta-25C\right) \kappa-10B\,{{\theta}^{2}}-25C\eta\theta\\ &+15{{A}^{2}}\theta+3{{A}^{2}}\,{{\eta}^{2}}+23AB\eta+20AC+2{{B}^{2}}=0\tag{11}\label{eq11} \end{eqnarray} このとき,求めるべき変数が $ \eta,\theta,\kappa,\mu $ の4つに対して,それらを求めるための方程式が(\ref{eq6})(\ref{eq7})(\ref{eq8})の3つだけであることを考慮すると,解には1次元分の自由度が生まれることになる.そこでいま $ \theta $ を上記の $ \kappa $ の項が $ 0 $ になるように定めることとする.すなわち \[ -15A\theta-20B\eta-25C=0 \] となるように $ \theta $ を定めると \[ \theta=-\frac{4B\eta+5C}{3A} \] となる.したがって(\ref{eq11})は \begin{eqnarray} &300ABC\,{{\eta}^{2}}-160{{B}^{3}}\,{{\eta}^{2}}+27{{A}^{4}}\,{{\eta}^{2}}+375A\,{{C}^{2}}\eta\\ &-400{{B}^{2}}C\eta+27{{A}^{3}}B\eta-250B\,{{C}^{2}}-45{{A}^{3}}C+18{{A}^{2}}\,{{B}^{2}}=0 \end{eqnarray} と変形され,この $ \eta $ の2次方程式を解くことによって $ \eta $ を求めることもできる.そして式(\ref{eq8})より \begin{eqnarray} &&-675{{A}^{3}}\,{{\kappa}^{3}}-3375{{A}^{2}}C\eta{{\kappa}^{2}}+3600A\,{{B}^{2}}\eta{{\kappa}^{2}}+4500ABC\,{{\kappa}^{2}}\\ &&+2025{{A}^{4}}\,{{\kappa}^{2}}-6000{{B}^{2}}C\,{{\eta}^{2}}\kappa-675{{A}^{3}}B\,{{\eta}^{2}}\kappa-15000B\,{{C}^{2}}\eta\kappa\\ &&+4050{{A}^{3}}C\eta\kappa-7200{{A}^{2}}\,{{B}^{2}}\eta\kappa-9375{{C}^{3}}\kappa-9675{{A}^{2}}BC\kappa\\ &&-2025{{A}^{5}}\kappa+225{{A}^{2}}BC\,{{\eta}^{3}}+320A\,{{B}^{3}}\,{{\eta}^{3}}+54{{A}^{5}}\,{{\eta}^{3}}\\ &&+1125{{A}^{2}}\,{{C}^{2}}\,{{\eta}^{2}}+3900A\,{{B}^{2}}C\,{{\eta}^{2}}+960{{B}^{4}}\,{{\eta}^{2}}+756{{A}^{4}}B\,{{\eta}^{2}}\\ &&+9375AB\,{{C}^{2}}\eta+2400{{B}^{3}}C\eta-1485{{A}^{4}}C\eta+3843{{A}^{3}}\,{{B}^{2}}\eta\\ &&+6250A\,{{C}^{3}}+1500{{B}^{2}}\,{{C}^{2}}+4770{{A}^{3}}BC+108{{A}^{2}}\,{{B}^{3}}+675{{A}^{6}}=0 \end{eqnarray} という $ \kappa $ の3次方程式が得られる. $ \theta $ を上のように選んだのは,この $ \kappa $ の方程式が高次にならないようにするためであった.したがって $ \eta,\theta,\kappa,\mu $ の4つが方程式の係数により記述できたので, $ z^5+Az^2+Bz+C=0 $ と $ w^5+Pw+Q=0 $ の解の間には,4次式の関係があることが分かった.また式(\ref{eq9})(\ref{eq10})により $ P $ と $ Q $ も得ることができる.最終的な式は最後のまとめに記す.これにより,当初の5次方程式は \[ w^5+Pw+Q=0 \] という形にまで簡単化できることが判明した.この形はBring-Jerrard型と呼ばれる形である.ここで \[ w=e^{i\frac{\s\pi}{\s 4}}\sqrt[4]{P}u \] とすることにより,方程式は \begin{eqnarray} e^{i\frac{\s 5\pi}{\s 4}}\sqrt[4]{P^5}u^5+e^{i\frac{\s\pi}{\s 4}}\sqrt[4]{P^5}u+Q&=&0\\ u^5-u+\frac{Qe^{-i\frac{\s 5\pi}{\s 4}}}{\sqrt[4]{P^5}}=0 \end{eqnarray} という形にすることができる. $ R=Qe^{-i\frac{\s 5\pi}{\s 4}}/\sqrt[4]{P^5} $ とすれば,最終的に5次方程式は \[ u^5-u+R=0 \] という形にまで持っていくことができる.


III. モジュラー関数による解の公式

さて, $ u^5-u+R=0 $ という形の5次方程式の解の公式を得ることができれば,最初の $ x^5+ax^4+bx^3+cx^2+dx+e=0 $ という方程式の解まで導出できることは分かった.問題は $ u^5-u+R=0 $ をどうやって解けばよいのかである.それには様々な方法が存在するが,ここではエルミートによるモジュラー関数を使った方法を紹介する. まずは,解を記述するために使うモジュラー関数を定義する.モジュラー関数は,一つの関数を指す用語ではなく,ある保型的性質を満たすような関数の総称である.今回は楕円関数から話を始める.まずパラメーター $ \tau $ を \[ \tau=\frac{iK(\sqrt{1-k^2})}{K(k)} \] とする.これは楕円関数論においてhalf-period ratioと呼ばれるものである.また $k$ はモジュラスと呼ばれるパラメータである.さらに \[ K(k)=\int_0^{\frac{\s\pi}{\s 2}}\frac{1}{\sqrt{1-k^2\sin\ef 2\varphi}}d\varphi \] はモジュラス $ k $ に対する完全楕円積分である.これを用いて 楕円モジュラー関数 \begin{eqnarray} \varphi(\tau)&=&\sqrt[4]{k}\\ \psi(\tau)&=&\sqrt[8]{1-k\ef 2} \end{eqnarray} が定義される.ちなみにこの2つの関数 $ \varphi,\psi $ は,ヤコビのテータ関数 $ \vartheta $ を使って \begin{eqnarray} \varphi(\tau)&=&\sqrt{\frac{\vartheta\two 10(0;\tau )}{\vartheta\two 00(0;\tau)}}\\ \psi(\tau)&=&\sqrt{\frac{\vartheta\two 01(0;\tau )}{\vartheta\two 00(0;\tau)}} \end{eqnarray} と表す事もできる.このとき関数のペア \[ \varphi(\tau),\; \varphi(5\tau) \] は有理数体上代数的に従属であることが知られている.すなわち \[ \Phi\f 5(\varphi(\tau),\varphi(5\tau))\equiv 0 \] を満たすような有理数係数多項式 $ \Phi\f 5 $ が存在する.具体的にそれは \[ \Phi\f 5(x,y):=x^6-y^6+5x^2y^2(x^2-y^2)+4xy(1-x^4y^4) \] という形の6次多項式である.このとき $ \Phi\f 5(\varphi(\tau),y) $ の6つの解は \begin{eqnarray} y\f j(\tau)&=&\varphi\!\paren{\frac{\tau+16j}{5}}\quad (j=0,1,2,3,4)\\ y\f 5(\tau)&=&\varphi(5\tau) \end{eqnarray} である.この6つの解を使って定義される \begin{eqnarray} J(\tau)&=&(y\f 5(\tau)-y\f 0(\tau))(y\f 4(\tau)-y\f 1(\tau))(y\f 3(\tau)-y\f 2(\tau))\\ &=&\braces{\varphi(5\tau)+\varphi\!\paren{\frac\tau 5}} \braces{\varphi\!\paren{\frac{\tau+16}{5}}-\varphi\!\paren{\frac{\tau+64}{5}}} \braces{\varphi\!\paren{\frac{\tau+32}{5}}-\varphi\!\paren{\frac{\tau+48}{5}}} \end{eqnarray} という $ \tau $ の関数は, \begin{eqnarray} J(\tau)^5-2000\varphi(\tau)^4\psi(\tau)^{16}J(\tau)+1600\sqrt 5\varphi(\tau)^3\psi(\tau)^{16}(1+\varphi(\tau)^8)=0 \end{eqnarray} を任意の $ \tau $ に対して満たすことが示されている.詳しくは参考文献「Briot-Bonquet, Théorie des fonctions elliptiques」のp.654-を参照していただきたい. 文献では $ J(\tau) $ の各点の位数の勘定や, $ J(\tau) $ の $ y\f j(\tau) $ に対する対称性などから \[ u^{8\beta\f 0}J^5+\sum\thr p=1^5u^{8\beta\f p}J^{5-p}(a\f p+b\f pu^8+c\f pu^{16}+\cdots )=0\\ (u=\varphi(\tau)) \] という $ u $ -級数の方程式を立て,そこから各係数 $ \beta\f p,a\f p,b\f p,c\f p,\ldots $ を決定していくことにより最終的な5次方程式を得ている. この5次方程式 \[ T^5-2000\varphi(\tau)^4\psi(\tau)^{16}T+1600\sqrt 5\varphi(\tau)^3\psi(\tau)^{16}(1+\varphi(\tau)^8)=0 \] のその他の4つの解は \[ J(\tau+16),J(\tau+32),J(\tau+48),J(\tau+64) \] である.いま $ \tau $ を固定したときの一つの解を $ J $ とし, \[ J=2\sqrt[4]{5^3}\varphi(\tau)\psi(\tau)^4X \] というように変換を行うと,初等的な計算によって \[ X^5-X+\frac{2(1+\varphi(\tau)^8)}{\sqrt[4]{5^5}\varphi(\tau)^{2}\psi(\tau)^{4}}=0 \] となる.少し複雑になってきたが,つまり $ J(\tau+16\ell)\; (\ell=0,1,2,3,4) $ という形の $ \tau $ の関数は \[ \paren{\frac{J(\tau+16\ell)}{2\sqrt[4]{5^3}\varphi(\tau)\psi(\tau)^4}}^5-\paren{\frac{J(\tau+16k)}{2\sqrt[4]{5^3}\varphi(\tau)\psi(\tau)^4}}+ \frac{2(1+\varphi(\tau)^8)}{\sqrt[4]{5^5}\varphi(\tau)^{2}\psi(\tau)^{4}}=0 \] を任意の $ \tau $ に対して満たしているということである. したがってまとめると,最初に与えられた方程式 \[ u^5-u+R=0 \] に対して, \[ R=\frac{2(1+\varphi(\tau)^8)}{\sqrt[4]{5^5}\varphi(\tau)^{2}\psi(\tau)^{4}} \] となるような $ \tau $ の値を求めることができれば, $ u^5-u+R=0 $ の解は \begin{eqnarray} u&=&\frac{J(\tau+16\ell)}{2\sqrt[4]{5^3}\varphi(\tau)\psi(\tau)^4}\\ &&(\ell=0,1,2,3,4) \end{eqnarray} というように求めることができることが分かった.したがって今度は \[ R=\frac{2(1+\varphi(\tau)^8)}{\sqrt[4]{5^5}\varphi(\tau)^{2}\psi(\tau)^{4}} \] を満たすような $ \tau $ を求めることになる.これを変形すると, \[ 2(1+\varphi(\tau)^8)=R\sqrt[4]{5^5}\varphi(\tau)^{2}\psi(\tau)^{4}\\ 4(1+\varphi(\tau)^8)^2=R^2\sqrt{5^5}\varphi(\tau)^4\psi(\tau)^8 \] これをモジュラス $ k $ を使って表すと \begin{eqnarray} &4(1+k^2)^2=R^2\sqrt{5^5}k(1-k^2)\\ &4k^4+R^2\sqrt{5^5}k^3+8k^2-R^2\sqrt{5^5}k+4=0\\ &k^4+\paren{\frac{R\sqrt[4]{5^5}}{2}}^2k^3+2k^2-\paren{\frac{R\sqrt[4]{5^5}}{2}}^2k+1=0 \end{eqnarray} となる.この方程式の解は三角関数の恒等式 \[ \tan^4\theta +\frac{4}{\sin 4\theta}\tan^3\theta+2\tan^2\theta -\frac{4}{\sin 4\theta}\tan\theta +1=0 \] を用いることにより, \[ \sin 4\theta =4\paren{\frac{2}{R\sqrt[4]{5^5}}}^2 \] を満たす $ \theta $ に対して \[ k=\tan\theta \] というように求めることができる.すなわち \[ k=\tan\paren{\frac 14\arcsin\paren{\frac{16}{R^2\sqrt{5^5}}}} \] である.このモジュラス $ k $ を使って \[ \tau=\frac{iK(\sqrt{1-k\ef 2})}{K(k)} \] となる. したがって最終的に $ u^5-u+R=0 $ の解は \begin{eqnarray} &u=\frac{J(\tau+16\ell)}{2\sqrt[4]{5^3}\varphi(\tau)\psi(\tau)^4}\quad (\ell=0,1,2,3,4)\\ &\tau=\frac{iK(\sqrt{1-k\ef 2})}{K(k)},\quad k=\tan\paren{\frac 14\arcsin\paren{\frac{16}{R^2\sqrt{5^5}}}} \end{eqnarray} と求めることができる.



IV. まとめ

以上をまとめると,最初の \[ x^5+ax^4+bx^3+cx^2+dx+e=0 \] の解の公式は以下のように与えられる.

$\dis x=y-\frac{a}{5}$

$\dis y=-\frac\alpha 2+\sqrt{\paren{\frac\alpha 2}^2-\beta+z}$

$\dis \alpha =-\frac{3q}{2p}\pm\sqrt{\paren{\frac{3q}{2p}}^2+\frac{3p}{5}-\frac{2r}{p}}$

$\dis \beta =\frac{2p}{5}$

$\dis p=b-\frac{2a^2}{5}$

$\dis q=c-\frac{3ab}{5}+\frac{4a^3}{25}$

$\dis r=d-\frac{2ac}{5}+\frac{3a^2b}{25}-\frac{3a^4}{125}$

$\dis s=e-\frac{ad}{5}+\frac{a^2c}{25}-\frac{a^3b}{125}+\frac{4a^5}{3125}$

$z=$(以下の$4$次方程式の解の一つ)
$z^4+\eta z^3+\theta z^2+\kappa z+\mu-\dis e^{i\frac{\s \pi}{\s 4}}\sqrt[4]{P^5}u=0$

$\dis \mu=\frac{3A\eta+4B}{5}$

$\dis \theta=-\frac{4B\eta+5C}{3A}$

$\kappa=$(以下の3次方程式の解の一つ)
$\dis d\f 3\kappa\ef 3+d\f 2\kappa\ef 2+d\f 1\kappa+d\f 0=0$

$d\f 0= ( 225{{A}^{2}}BC$$+320A\,{{B}^{3}}$$+54{{A}^{5}}) \,{{\eta}^{3}}$$+( 1125{{A}^{2}}\,{{C}^{2}}$$+3900A\,{{B}^{2}}C$$+960{{B}^{4}}$$+756{{A}^{4}}B) \,{{\eta}^{2}}$$+( 9375AB\,{{C}^{2}}$$+ 2400{{B}^{3}}C$$-1485{{A}^{4}} C$$+3843{{A}^{3}}\,{{B}^{2}}) \eta$$+6250A\,{{C}^{3}}$$+1500{{B}^{2}}\,{{C}^{2}}$$+4770{{A}^{3}}BC$$+108{{A}^{2}}\,{{B}^{3}}$$+675{{A}^{6}}$

$d\f 1= ( $$-6000{{B}^{2}}C$$-675{{A}^{3}}B) \,{{\eta}^{2}}$$+( $$-15000B\,{{C}^{2}}$$+4050{{A}^{3}}C$$-7200{{A}^{2}}\,{{B}^{2}}) \eta$$-9375{{C}^{3}}$$-9675{{A}^{2}}BC$$-2025{{A}^{5}}$

$d\f 2= (-3375{{A}^{2}}C$$+3600A\,{{B}^{2}})\eta$$+4500ABC$$+2025{{A}^{4}}$

$d\f 3=-675{{A}^{3}}$

$\dis \eta=-\frac{e\f 1}{2e\f 2}+\sqrt{\paren{\frac{e\f 1}{2e\f 2}}^2-\frac{e\f 0}{e\f 2}}$

$e\f 0=-250B\,{{C}^{2}}-45{{A}^{3}}C+18{{A}^{2}}\,{{B}^{2}}$

$e\f 1=375A\,{{C}^{2}}-400{{B}^{2}}C+27{{A}^{3}}B$

$e\f 2=300ABC-160{{B}^{3}}+27{{A}^{4}}$

$A=\alpha(q\alpha^2$$-13pq/5$$+5s)$$+(\beta$$+\alpha^2)(4r-6p^2/5)$$+14p^3/25$$-2pr$$-q^2$

$B=$$7\alpha(p^2q$$-ps$$-qr)$$+( 2\beta$$+3\alpha^2) (p^3$$-3pr$$-3q^2/2$$+p\beta^2)$$+\alpha (3\beta$$+\alpha^2)(3q\beta $$+5s$$-5pq)$$+(p^2$$-2r)\{3\beta ^2$$-p^2$$+2r$$-(3\beta$$+\alpha^2)^2\}/2$$+r^2$$+2pq^2$$-2qs$$-5\beta^4/4$

$C=$$-3\alpha( 3rs$$-3p^2s$$-6pqr$$-q^3$$+2p^3q)$$-2( \beta$$+2\alpha^2) (p\beta^3$$- 4qs$$-2r^2$$+4p^2r$$+4pq^2$$-p^4) $$+2\alpha ( 2\beta$$+\alpha^2) ( 3q\beta^2$$+7p^2q$$-7ps$$-7qr) $$-\alpha ( 30\beta^2$$+20\alpha^2\beta$$+\alpha^4 ) ( pq$$-s) $$-( 2\beta^2$$+6\alpha^2\beta$$+\alpha^4) ( 6pr$$+3q^2$$-2p^3$$-2p^2\beta $$+4r\beta ) $$+s(4pq$$-s)$$+2r(pr$$+q^2)$$+p^2(2p^3/5$$-2pr$$-3q^2)$$-\beta^5$

$\dis u=\frac{J(\tau+16\ell)}{2\sqrt[4]{5^3k(1-k\ef 2)^2}}\quad (\ell=0,1,2,3,4)$

$\dis \tau=\frac{iK(\sqrt{1-k\ef 2})}{K(k)}$

$\dis k=\tan\paren{\frac 14\arcsin\paren{\frac{16}{R^2\sqrt{5^5}}}}$

$\dis R=\frac{Qe^{-i\frac{\s 5\pi}{\s 4}}}{\sqrt[4]{P^5}}$

$P=$$-( 2AC$$+B^2)(\theta^4$$+12\mu \theta^2$$+12\eta\kappa \theta^2$$+12\eta^2\mu \theta$$+12\kappa ^2\theta$$+6\mu ^2$$+24\eta\kappa \mu $$+6\eta^2\kappa ^2) $$-3A^2( \mu \theta^3$$+3\kappa ^2\theta^2/2$$+3\mu ^2\theta$$+6\eta\kappa \mu \theta$$+3\eta^2\mu ^2/2$$+3\kappa ^2\mu $$+\eta\kappa ^3)$$-7AB( \kappa \theta^3$$+3\eta\mu \theta^2$$+6\kappa \mu \theta$$+3\eta\kappa ^2\theta$$+3\eta\mu ^2$$+3\eta^2\kappa \mu $$+\kappa ^3) $$+3( A^3$$-3BC) (\eta\theta^3$$+3\kappa \theta^2$$+6\eta\mu \theta$$+3\eta^2\kappa \theta$$+3\kappa \mu $$+\eta^3\mu $$+3\eta\kappa ^2) $$+5( 2A^2B$$-C^2) ( \theta^3$$+3\eta^2\theta^2/2$$+3\mu \theta$$+6\eta\kappa \theta$$+3\eta^2\mu $$+3\kappa ^2/2$$+\eta^3\kappa ) $$+B( 6\mu ^2\theta^2$$+12\kappa ^2\mu \theta$$+4\mu ^3$$+12\eta\kappa \mu ^2$$+\kappa ^4) $$+5C( 3\kappa \mu \theta^2$$+3\eta\mu ^2\theta$$+\kappa ^3\theta$$+3\kappa \mu ^2$$+3\eta\kappa ^2\mu ) $$+A(AC$$+B^2) ( 3\eta\theta^2$$+3\kappa \theta$$+\eta^3\theta$$+3\eta\mu $$+3\eta^2\kappa ) $$+( 6ABC$$+B^3$$-3A^4/4) ( 6\theta^2$$+12\eta^2\theta$$+4\mu $$+12\eta\kappa $$+\eta^4) $$+3A\mu ( 3\kappa \mu \theta$$+\eta\mu ^2$$+\kappa ^3) $$+13( AC^2$$+B^2C$$-A^3B) ( 3\eta\theta$$+\kappa $$+\eta^3) $$+14( BC^2$$-A^3C$$-3A^2B^2) ( \theta$$+3\eta^2/2) $$-5\mu ^4/4$$+( 5C^3$$-45A^2BC$$-15AB^3$$+3A^5) \eta$$-6A^2C^2$$-12AB^2C$$-B^4$$+4A^4B$

$Q=$$(2A^2B$$-C^2) ( \theta^5$$+20\mu \theta^3$$+20\eta\kappa \theta^3$$+30\eta^2\mu \theta^2$$+30\kappa ^2\theta^2$$+30\mu ^2\theta$$+120\eta\kappa \mu \theta$$+30\eta^2\kappa ^2\theta$$+30\eta^2\mu ^2$$+30\kappa ^2\mu $$+20\eta^3\kappa \mu $$+20\eta\kappa ^3) $$-4( 2AC$$+B^2) ( \mu \theta^4$$+2\kappa ^2\theta^3$$+6\mu ^2\theta^2$$+10\eta\kappa \mu \theta^2$$+6\eta^2\mu ^2\theta$$+12\kappa ^2\mu \theta$$+4\eta\kappa ^3\theta$$+2\mu ^3$$+10\eta\kappa \mu ^2$$+6\eta^2\kappa ^2\mu $$+\kappa ^4) $$-3( 3BC$$-A^3) ( \kappa \theta^4$$+4\eta\mu \theta^3$$+12\kappa \mu \theta^2$$+6\eta\kappa ^2\theta^2$$+12\eta\mu ^2\theta$$+12\eta^2\kappa \mu \theta$$+4\kappa ^3\theta$$+6\kappa \mu ^2$$+2\eta^3\mu ^2$$+12\eta\kappa ^2\mu $$+2\eta^2\kappa ^3) $$+11A(AC$$+B^2) ( \eta\theta^4$$+4\kappa \theta^3$$+12\eta\mu \theta^2$$+6\eta^2\kappa \theta^2$$+12\kappa \mu \theta$$+4\eta^3\mu \theta$$+12\eta\kappa ^2\theta$$+6\eta\mu ^2$$+12\eta^2\kappa \mu $$+2\kappa ^3$$+2\eta^3\kappa ^2) $$+( 24ABC$$+4B^3$$-3A^4) (\theta^4$$+2\eta^2\theta^3$$+6\mu \theta^2$$+12\eta\kappa \theta^2$$+12\eta^2\mu \theta$$+6\kappa ^2\theta$$+4\eta^3\kappa \theta$$+2\mu ^2$$+12\eta\kappa \mu $$+\eta^4\mu $$+6\eta^2\kappa ^2) $$-3A^2( 2\mu ^2\theta^3$$+6\kappa ^2\mu \theta^2$$+4\mu ^3\theta$$+12\eta\kappa \mu ^2\theta$$+\kappa ^4\theta$$+2\eta^2\mu ^3$$+6\kappa ^2\mu ^2$$+4\eta\kappa ^3\mu ) $$-7 AB( 4\kappa \mu \theta^3$$+6\eta\mu ^2\theta^2$$+2\kappa ^3\theta^2$$+12\kappa \mu ^2\theta$$+12\eta\kappa ^2\mu \theta$$+4\eta\mu ^3$$+6\eta^2\kappa \mu ^2$$+4\kappa ^3\mu $$+\eta\kappa ^4) $$+13( AC^2$$+B^2C$$-A^3B) ( 4\eta\theta^3$$+6\kappa \theta^2$$+2\eta^3\theta^2$$+12\eta\mu \theta$$+12\eta^2\kappa \theta$$+4\kappa \mu $$+4\eta^3\mu $$+6\eta\kappa ^2$$+\eta^4\kappa ) $$+7( 2BC^2$$-2A^3C$$-3A^2B^2) ( 2\theta^3$$+6\eta^2\theta^2$$+4\mu \theta$$+12\eta\kappa \theta$$+\eta^4\theta$$+6\eta^2\mu $$+2\kappa ^2$$+4\eta^3\kappa ) $$+4B( 2\mu ^3\theta^2$$+6\kappa ^2\mu ^2\theta$$+\mu ^4$$+4\eta\kappa \mu ^3$$+\kappa ^4\mu ) $$+C( 30\kappa \mu ^2\theta^2$$+20\eta\mu ^3\theta$$+20\kappa ^3\mu \theta$$+20\kappa \mu ^3$$+30\eta\kappa ^2\mu ^2$$+\kappa ^5) ( 3A^5/5$$+C^3$$-9A^2BC$$-3AB^3) ( 30\eta\theta^2$$+20\kappa \theta$$+20\eta^3\theta$$+20\eta\mu $$+30\eta^2\kappa $$+\eta^5)$$+4( 4A^4B$$-6A^2C^2$$-12AB^2C$$-B^4) ( 2\theta^2$$+6\eta^2\theta$$+\mu $$+4\eta\kappa $$+\eta^4) $$+3A( 4\kappa \mu ^3\theta$$+\eta\mu ^4$$+2\kappa ^3\mu ^2) $$+17( $$-3ABC^2$$-B^3C$$+A^4C$$+2A^3B^2) ( 4\eta\theta$$+\kappa $$+2\eta^3) $$+3( 6AC^3$$+9B^2C^2$$-24A^3BC$$-12A^2B^3$$+A^6) ( \theta$$+2\eta^2) $$+19( $$-BC^3$$+2A^3C^2$$+6A^2B^2C$$+AB^4$$-A^5B) \eta$$-\mu ^5$$-C^4$$+24A^2BC^2$$+16AB^3C$$-4A^5C$$+4/5B^5$$-10A^4B^2$

$\dis J(\tau)=(y\f 5(\tau)-y\f 0(\tau))(y\f 4(\tau)-y\f 1(\tau))(y\f 3(\tau)-y\f 2(\tau))$

$\dis y\f j(\tau)=\varphi\!\paren{\frac{\tau+16j}{5}}\quad (j=0,1,2,3,4)$

$\dis y\f 5(\tau)=\varphi(5\tau)$

$\dis \varphi(\omega)=\sqrt{\frac{\vartheta\two 10(0;\omega )}{\vartheta\two 00(0;\omega)}}$

$\dis \psi(\omega)=\sqrt{\frac{\vartheta\two 01(0;\omega )}{\vartheta\two 00(0;\omega)}}$

$\dis \vartheta_{ab}(z;\omega)=\sum_{n=-\infty}\ef\infty e^{\pi i(n+a)\ef 2\omega +2\pi i(n+a)(z+b)}\; (a,b\in\rea)$

$\dis K(k)=\int_0^{\frac{\s\pi}{\s 2}}\frac{1}{\sqrt{1-k^2\sin\ef 2\varphi}}d\varphi $

ここで $ \vartheta $ はヤコビのツェータ関数, $ K $ は第一種完全楕円積分という特殊関数である.

5次方程式の解の公式はいざというときに必要になる可能性が僅かに存在するかもしれないと言い伝えられているような気がするので,記憶しておきましょう.



V. 参考文献

(1) V.S.Adamchik, David.J.Jeffrey, Polynomial Transformations of Tschirnhaus, Bring and Jerrard, ACM SIGSAM Bullentin, Vol37, No.3 (2003)
5次方程式をBring-Jerrard型にまで簡単化する方法が説明されています.

(2) Semjon Adlaj, Multiplication and division on elliptic curves, torsion points and roots of modular equations
レベル5の楕円モジュラー多項式について参考にしました.

(3) Briot, Bouquet, Théorie des fonctions elliptiques, p654-660
楕円モジュラー方程式から5次の標準形に持っていく部分の証明が載っています.

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